この記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
制作会社に請求書を送ったけれど、支払日は翌月末。
その前に、外注先への支払いやサーバー代の更新が来る。
こういうときに、入金前の請求書を買い取ってもらって先に現金にする方法があります。
フリーランス向けのサービスでよく名前が挙がるのが、ラボルとペイトナーです。
2つは、手数料がどちらも10%で、似たサービスに見えます。
ただ、公式サイトのよくある質問と利用規約を読み比べると、そもそも使える請求書の条件が違います。
2社の公式の記載を、同じ項目で並べて比較しました。
- 手数料はどちらも10%です。ペイトナーは別に振込手数料330円が引かれるので、10万円の請求書なら受け取る額はラボルが9万円、ペイトナーが89,670円です(私の計算)
- ラボルは、取引先が法人の請求書だけです。支払期日が請求書の提出から151日以上先のものは使えません
- ペイトナーは、取引先が法人か個人事業主の請求書に使えます。ただし、申請日から支払期日まで70日以内であることが条件です。ランサーズやクラウドワークスでの売上には使えません
- 出す書類が違います。ラボルは本人確認書類・請求書・取引を示す資料(取引先とのメールや通帳など)、ペイトナーは請求書・本人確認書類(初回のみ)・直近3か月分の入出金明細です
- よくある質問では、ラボルは取引先が倒産した場合に買取金額の返還を求めない、ペイトナーは取引先が支払不能になった場合に利用者に支払いを請求しない、としています。一方で、どちらの利用規約にも、利用者の申告が事実と違った場合などに、買い戻しや代金の返還を求める定めがあります
ふだんはフリーランスでWeb制作をしています(運営者情報)。
私はどちらのサービスも使っていません。
使い勝手や審査の通りやすさは書けないので、ここに書くのは、2社の公式サイト・よくある質問・利用規約に書かれていることだけです。
2026年10月27日時点の情報で、条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式で確かめてください。
ラボルとペイトナーの違いを1つの表で比較
ラボル
は株式会社ラボル、ペイトナー
はペイトナー株式会社のサービスです。
どちらも、取引先に送った入金前の請求書を買い取り、手数料を引いた額を先に振り込みます。
取引先を契約に入れず、利用者と運営会社の2者で契約する形(2者間ファクタリング)で、2社とも原則として取引先に知られずに使える、としています。
下の表は、2社の公式サイト・よくある質問・利用規約に書かれている条件です(2026年10月27日に確認)。
ラボルには、カードで支払いを先延ばしする「ラボル カード払い」という別のサービスもありますが、ここでは請求書の買取だけを比べます。
| 項目 | ラボル | ペイトナー |
|---|---|---|
| 使える請求書の取引先 | 法人だけ(個人あての請求書は使えない) | 法人か個人事業主(一般の個人(消費者)あては使えない) |
| 支払期日の条件 | 請求書の提出から151日以上先のものは使えない | 申請日から支払期日まで70日以内 |
| 手数料 | 買取金額の10%(一律) | 申請金額の10%(利用回数に関わらず一律)。別に振込手数料330円 |
| 10万円の請求書で受け取る額 | 9万円 | 89,670円(私の計算) |
| いくらから | 1万円から(請求書の一部だけも申請できる) | 1万円から(請求書の一部だけも申請できる) |
| いくらまで | 登録内容で決まる買取上限額の範囲。初回に買い取れる請求書は1枚 | 初回は最大50万円。取引実績などで最大300万円まで広がる(必ず300万円まで使えるわけではない) |
| 審査と入金 | 申請から入金まで最短30分。審査が終われば24時間365日振り込む(審査そのものは24時間365日ではない) | 審査は土日祝を含む毎日10:00〜19:00。19:00までの申し込みは、原則として当日中に審査結果を連絡。営業時間内に審査が始まれば、即日で審査と振込が完了。営業時間外の申請は翌営業日の入金 |
| 出す書類 | 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・運転経歴証明書)、請求書、取引を示す資料(エビデンス。取引先とのメール・チャット、発注書や契約書、通帳の入出金履歴など) | 請求書、本人確認書類(初回のみ)、直近3か月分の入出金明細 |
| 取引先への連絡 | 原則なし。ラボルへの支払いが遅れている場合は連絡することがある | 原則なし。入金の遅延など利用規約に反する事態が起きた場合は、取引先に状況を確認することがある |
| 自分が払う期限 | 請求書の支払期日+3日(土日・祝日や同社の休業日なら翌営業日) | 請求書の支払期日+土日祝を除いた3営業日以内 |
| その期限に遅れたとき | 年14.6%の遅延損害金(利用規約 第10条) | 年14.6%の遅延損害金(利用規約 第8条第10項) |
使えるかどうかは、取引先と支払期日で決まる
手数料より先に見るのは、手元の請求書がそもそも対象になるかです。
ここで2社ははっきり分かれます。
取引先が個人事業主なら、ラボルは使えない
ラボルのよくある質問は「現時点では、法人が取引先となる請求書のみご利用いただけます。」としています。
利用規約でも、買い取る債権の相手方(クライアント)を「内国法人又は日本に支店のある外国法人」としています(第17条第9項第14号)。
ペイトナーのよくある質問は、取引先が「法人」または「個人事業主」である請求書が使える、としています。
Web制作では、個人で活動しているディレクターやデザイナーから仕事を受けることもあります。
その請求書は、ラボルの対象外で、ペイトナーなら対象になりえます。
支払期日まで70日を超えるなら、ペイトナーは使えない
ペイトナーのよくある質問は、対象の請求書の条件の1つ目に「申請日から支払い期日が70日以内であること」を挙げています。
ラボルは、支払期日が請求書の提出から151日以上先の請求書を対象外としています。
請求書を出した日から支払期日まで60日なら、出してすぐ申請しても、2社とも日数の条件には収まります。
90日のように長い場合、ペイトナーでは、支払期日まで70日以内になるまで申請できない、と読めます。
法人あての請求書なら、90日はラボルの日数の条件の中です。
支払いサイトの長さそのものについては、支払いサイト60日はきついのかに書いています。
どちらも、期日を過ぎた請求書には使えない
ラボルは「支払期限が過ぎた請求書を買い取ることはできません。」とし、取引先が支払いを拒否・留保している場合も買い取れない、としています。
ペイトナーも「すでに取引先からの支払いが遅れている請求書」を対象外にしています。
どちらも、期日を過ぎても入金されない請求書の回収には使えません。
その場面でやることは、フリーランスの入金が遅いときにやることにまとめています。
ペイトナーは、ランサーズやクラウドワークスといったソーシングサービスによる売上も対象外です。
ラボルのよくある質問と利用規約には、クラウドソーシングの売上について書いた箇所は見当たりませんでした。
使えるかどうかは、申し込む前にラボルに問い合わせてください。
手数料は同じ10%でも、引かれる額と、あとで払う額が違う
ラボルは、10万円の請求書なら手数料の1万円を引いた9万円を振り込み、ラボルへの支払いのときに10万円を送る、とよくある質問で説明しています。
ラボルから利用者への振込手数料はラボルが負担します(利用規約 第17条第5項)。
ただし、ラボルへ支払うときの振込手数料は利用者の負担です。
公式サイトのトップには「振込手数料などの他の費用も一切かかりません」とありますが、よくある質問には「株式会社ラボルへのお支払い時には別途振込手数料をご負担いただきます。」とあります。
ペイトナーは、20万円を申請した例で、サービス利用料20,000円と振込手数料330円を引いた179,670円を振り込む、としています。
10万円なら、同じ計算で89,670円です。
2社の差は、この330円です。
ペイトナーへの支払いも、指定の銀行口座への振り込みです。
源泉徴収や振込手数料で入金が減ったときは、差額を自分で払う
Web制作の報酬は、仕事の内容によっては源泉徴収されます(Web制作の報酬は源泉徴収されるのか)。
取引先が振込手数料を差し引いて振り込んでくることもあります(フリーランスの報酬から振込手数料を差し引くのは減額か)。
こうした場合、取引先から実際に入ってくる額は、請求書の額面より少なくなります。
源泉徴収・経費分の控除等により買取対象債権が登録した額面金額より減少した場合、相殺・代物弁済等により買取対象債権の全部又は一部が消滅した場合など、実質的に利用者が当該買取対象債権を受け取ったと評価される事由により買取対象債権が減少又は消滅した場合は、利用者は、当該減少又は消失した金額分を支払うものとします。
ラボル 利用規約 第17条第8項
ラボルの場合、額面10万円で申請して、源泉徴収されて入金が10万円より少なかったら、足りない分は自分の手元のお金から払うことになります。
ペイトナーの利用規約は、取引先から支払いを受けた金額に相当する金額を送る、という書き方で(第8条第10項)、源泉徴収で減った分の扱いを書いた条項は見当たりませんでした。
どちらを使うにしても、源泉徴収される報酬なら、申請する額は源泉徴収されたあとに入ってくる額の範囲にしておくほうが安全だと私は考えています。
手元に残るはずのお金を当てにして申請し、差額を別に用意することになると、前倒しした意味が薄れるからです。
取引先に知られるか、取引先が払わなかったらどうなるか
取引先への連絡は「原則なし」。例外は利用規約にある
2社とも、よくある質問では取引先に原則として連絡しない、としています(表のとおり)。
ただし、利用規約には、取引先に債権を譲ったことを通知できる場面が書かれています。
ラボルは、買い取った債権の支払いが遅れたり拒まれたりした場合などに、利用者に代わって取引先に通知し、支払いを請求できる、としています(第17条第10項)。
ペイトナーも、利用者の表明保証が事実と違う場合や、利用者または取引先に契約違反があった場合(いずれも、そのおそれがある場合を含む)などに、取引先へ通知し、問い合わせなどの調査ができる、としています(第10条第5項)。
つまり、取引先の支払いが遅れたときなどには、取引先に知られることがあります。
取引先が払えなくなったときの返還と、買い戻しの定め
ラボルのよくある質問は「取引先が倒産した場合は請求書買取金額の返還を求めることはありません。」とし、ペイトナーのよくある質問も、取引先が支払不能になった場合は利用者に支払いを請求しない、としています。
ペイトナーの利用規約 第8条第6項にも、取引先が支払いを怠った場合でも、規約に別途定める場合を除き、譲渡対価の返還を求めない、とあります。
一方で、別の定めもあります。
ラボルの利用規約 第19条は、利用者が申込みのときに約束した事項(第17条第9項)が事実と違った場合や、守るべき事項(第18条)に違反した場合に、ラボルが請求すれば、利用者がその債権を額面で買い戻す、としています。
約束する事項には、「原契約に基づき利用者が買取日までに履行すべきとされている義務を全て履行済み」であることや、取引先が支払いを拒める事情が無いことが含まれています。
ペイトナーの利用規約 第10条第6項は、利用者の表明保証が事実と違う場合や、利用者または取引先に契約違反があった場合(いずれも、そのおそれがある場合を含む)に、譲渡契約を解除して、支払済みの譲渡対価の返還を求められる、としています。
取引先が払わないことが、この「取引先の契約違反」にあたるかは、規約の文面からは判断できませんでした。
Web制作で言えば、納品したあとに修正の対応が残っている、検収が終わっていない、といった請求書は、この約束に当たらないおそれがある、というのが私の読み方です。
ペイトナーのよくある質問も、対象を「取引先へ納品や役務提供が完了し、入金日が確定している請求書」としています。
使うなら、検収が済んで、金額と支払日が決まった請求書だけにするのが安全だと考えています。
金融庁は「ファクタリングの利用に関する注意喚起」で、ファクタリングは法的には債権の売買だとしています。
そのうえで、経済的に貸付けと同様の機能を持つと思われるものは貸金業に該当するおそれがあるとし、例として、譲渡した債権の回収(集金)が売主に委託されていて、売主が集金できなかった場合に債権を買い戻すこととされているものなどを挙げています。
これは一般的な注意で、2社の定めがこれに当たるかを私が判断したものではありません。
申し込む前に、利用規約の買い戻しと返還の定めを読んでおいてください。
どちらを選ぶか
2社の条件から、場面ごとに分けるとこうなります。
- 取引先が個人事業主:ラボルは対象外です。ペイトナーの条件(申請日から支払期日まで70日以内など)に合うかを見ます
- 取引先が法人で、支払期日まで70日を超える:ペイトナーは、70日以内になるまで申請できません。ラボルは、支払期日が請求書の提出から151日以上先でなければ、日数の条件には収まります。ほかの条件と審査はあります
- 口座の入出金明細を3か月分出せない:ペイトナーは直近3か月分の入出金明細が必要です。事業用口座を作ったばかりなら個人口座の連携でよく、直近3か月分の履歴がない場合は使えない、としています。ラボルも取引を示す資料の例に通帳の入出金履歴を挙げていますが、メールやチャットのやり取り、発注書・契約書なども例に挙げています。よくある質問のその一覧には、3か月分のような期間の指定は書かれていません
- ランサーズやクラウドワークスの売上:ペイトナーは対象外です。ラボルは記載が見当たらないので、問い合わせが要ります
- どちらの条件にも合う:次の小見出しで決めます
どちらの条件にも合うときの決め手
受け取る額の差は、振込手数料の330円だけです。
あとは次の3つで選ぶのがよいと私は考えています。
- 出す書類:取引先とのメールやチャットを資料にしたいならラボル。口座の入出金明細を出せるならペイトナーも候補です
- 急ぐ時間帯:ラボルは審査が終われば24時間365日振り込みます。ペイトナーの審査は毎日10:00〜19:00で、営業時間外の申請は翌営業日の入金です
- 初回に使いたい額:ペイトナーは初回の枠が最大50万円です。ラボルは初回に買い取れる請求書が1枚です
手数料の10%は、10万円の請求書なら1万円です。
これは、入金を早めるために払う額です。
たまに使うのと毎月使うのとでは、1年で払う額がまったく違います。
毎月使うと年間でどのくらいになるかは、フリーランスの入金が遅いときにやることの後半で計算しています。
まとめ:ラボルとペイトナーの違い
- 手数料はどちらも10%。ペイトナーは別に振込手数料330円。10万円の請求書なら受け取る額はラボル9万円、ペイトナー89,670円(私の計算)
- ラボルは取引先が法人の請求書だけ。支払期日が請求書の提出から151日以上先のものは対象外
- ペイトナーは取引先が法人か個人事業主の請求書。申請日から支払期日まで70日以内。ランサーズやクラウドワークスの売上は対象外
- 出す書類は、ラボルが取引を示す資料(メール・チャット・通帳など。よくある質問に期間の指定は書かれていない)、ペイトナーが直近3か月分の入出金明細を求める点で違う
- どちらも、期日を過ぎた請求書には使えない。取引先への連絡は原則なしだが、利用規約には通知できる場面がある
- よくある質問では、ラボルは取引先が倒産した場合に買取金額の返還を求めない、ペイトナーは支払不能になった場合に利用者に支払いを請求しない、としている。ただし、利用者の約束や表明保証が事実と違った場合などの、買い戻し・返還の定めがある
- 源泉徴収などで入金が額面より減ったとき、ラボルでは減った分を利用者が払う(利用規約 第17条第8項)。申請額は、源泉徴収されたあとに入ってくる額の範囲にしておくのが安全だと考えています
申し込む前に確かめること
- 取引先が法人か個人事業主か、申請日(ラボルは請求書の提出日)から支払期日まで何日あるか
- 納品と検収が済んで、金額と支払日が決まっているか
- 源泉徴収や振込手数料で、入ってくる額が額面より少なくならないか
- 利用規約の、取引先への通知と、買い戻し・返還の定め
条件に合うほうの公式サイトで、最新の条件を確かめてから申し込んでください。
ラボルの公式サイト/ペイトナーの公式サイト
この記事で確かめた資料(2026年10月27日に確認):ラボルの公式サイト・よくある質問・利用規約(最終更新日 2026年8月24日)、ペイトナーの公式サイト・料金のページ・よくある質問・利用規約(2025年7月1日改定)、金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」。
