営業しないで案件を取る方法

営業が苦手だから案件が取れない、と考えている人は多いと思います。
私もそうでした。

ただ、実際に4か月半で871件応募してみて、考えが変わりました。
応募という手段そのものが、かなり分の悪い勝負だったからです。

この記事では、私のところに「応募していないのに来た仕事」がどこから来たのかを、実際の件数とともに書きます。
先に断っておくと、まだ数は小さいです。
これで生活が回っているという段階ではありません。

ふだんはフリーランスでWeb制作をしています(運営者情報)。

目次

応募は、1件に61人が並ぶ勝負だった

まず、営業しない方法を考えたくなる理由のほうから書きます。

クラウドソーシングの募集ページには応募者数が出ます。
私が応募した案件の募集内容を606件ぶん集計したところ、1件あたりの応募者数は中央値で61人でした。
最大は370人です。

採用されるのはたいてい1人なので、確率としては1.6%ほどになります。
実際、私の受注率は871件中17件で2.0%でした。
ほぼ計算どおりです(詳しくはWeb制作フリーランスが案件を取れない理由に書きました)。

ここで大事なのは、提案の質を上げても、この列自体は短くならないということです。
60人の中で1番になるのは、書き方の工夫でどうにかなる範囲を超えています。

だから「営業しないで取る」は、怠けたい人のための逃げ道ではありません。
並ばずに済む入り口を作るという、まっとうな戦略です。

応募せずに来たものは、3種類だけだった

自分の記録を全部見返して、こちらから応募していないのに話が来たものを数えました。
入り口は3つに分かれました。

入り口確認できた件数内容
出品からの見積り相談1件ココナラのパッケージ経由
リピート2社納品後に別件で再依頼
プロフィール経由のDM6件LinkedIn。10日間に集中

正直、多くありません。
871件の応募と比べれば誤差のような数です。
それでも書く価値があると思ったのは、どれも列に並んでいないからです。
相手はこちらを見つけて、直接来ています。

ひとつずつ、何が効いたのかを見ていきます。

出品は「置いておく」しかない。ランクが効き始めた

ココナラには、募集に応募する使い方のほかに、自分のサービスを出品しておく使い方があります。
相手が検索して見つけ、見積りを相談してくる形です。

出品はずっと置いていましたが、長いこと何も起きませんでした。
動きが出たのはプラチナランクになってからです。
実際に、記事執筆の依頼で予算6万円の見積り相談が来ました。

ランクが上がると検索での見え方が変わるので、そこが効いたのだろうと考えています。
ただし、ここは私の推測です。
運営が順位の決め方を公開しているわけではないので、断定はできません。

言えるのは、出品は置いた瞬間には効かないということです。
応募のように出せば結果が返ってくるものではなく、実績が溜まってから後ろ向きに効いてきます。
だから、応募をやめて出品に切り替えるという順番は成立しません。
応募しながら並行して置いておく、という形にしかなりませんでした。

もうひとつ気づいたのは、来る依頼が自分の想定と違うことです。
私はWeb制作をしていますが、指名で来るのは記事執筆の依頼が多い。
ココナラでもクラウドワークスでも同じ傾向でした。

これは考えてみれば自然でした。
サイトを作るという依頼は金額も大きく、相手も慎重になるので、いきなり指名では来にくい。
一方で記事の執筆は、金額の幅が読みやすく、頼む側のリスクが小さい。
指名で来るのは「頼みやすいほうの仕事」からだということだと思います。

これを嫌がるか、入り口として使うかは考え方が分かれるところです。
自分が売りたいものと、相手が頼みたいものは一致しません。
ただ、頼みやすい仕事から入って、そこで信用ができてから本命の相談が来るという順番はあり得ます。
私はいまその途中にいるので、結論はまだ出せません。

リピートは2社。ただし「腕がいいから」では説明できない

納品したあと、別の案件で再び声をかけてもらえたクライアントが2社ありました。

感覚としては、技術的な部分を必要としている相手ほどリピートに繋がりやすいと感じています。
実装の話が通じる相手だと、次も相談が来やすい。

ただ、ここから「だから技術力を上げればリピートされる」とは書けません。
私がそういう案件を選んで応募しているから、そういう相手が残っているだけだからです。
因果が逆かもしれない、という可能性を消せていません。

実際、世の中には技術の高さを求めていない依頼のほうが多くあります。
そこで評価されるのは、納期を守ることや、連絡がすぐつくことです。
リピートの理由は相手によって違うはずで、自分の1例を一般解にするのは危ないと思っています。

確実に言えるのは、リピートは応募ゼロで発生するということだけです。
2社ぶんとはいえ、61人の列に並ばずに済んでいます。
この効率の差は大きい。

プロフィールを書き換えたら、10日で6件のDMが来た

これが一番はっきり反応が出た施策でした。

2026年6月に、LinkedInのプロフィールを書き直しました。
肩書きと自己紹介文を、狙いたい相手に合わせて振り切った内容に変えています。

その後、7月14日から23日までの10日間で6件のDMが届きました。
それまでほとんど動きがなかったので、変化としてははっきりしています。

ただし、中身については正直に書いておきます。
6件のほとんどは転職や人材紹介のスカウトで、制作の依頼ではありませんでした。
採用担当者やリクルーターからの声かけです。

つまり「プロフィールを直したら仕事が来る」とは言えません。
言えるのはプロフィールを直したら見つけてもらえるようになるということまでです。
誰に見つかるかは、書いた内容で決まります。
私の場合は、経歴を前に出した書き方だったので、経歴を見る人に届いたのだと思います。

それでも、この1件は収穫でした。
プロフィールは、応募と違って一度書けば動き続けるからです。
871件の提案は871回書きましたが、プロフィールは1回書いて10日で6件を引っ張りました。
労力あたりの効きが違います。

応募せずに来た仕事が、高単価だったわけではない

ひとつ誤解しやすい点があるので書いておきます。
指名で来た仕事は、金額が特別に良かったわけではありませんでした。

出品経由で来た見積り相談の予算は6万円です。
一方、私が応募していた案件の予算を集計すると、中央値は約5万5千円でした(この集計はクラウドソーシングの単価が安いと感じたときに見た数字に出しています)。
ほとんど同じです。

「指名なら高く出せる」と期待していると、ここでずれます。
少なくとも私の1件では、単価は変わりませんでした。

では何が違うのか。
勝率と、そこに使う労力です。

同じ6万円の仕事でも、応募で取るなら60人と並んで1.6%の椅子を取りにいくことになります。
提案文を書く時間もかかります。
指名で来た相談は、そこを飛ばしていきなり見積りの話から始まります。
金額が同じなら、辿り着くまでの消耗が少ないほうが手元に残るという、単純な話でした。

単価を上げたいという目的で「営業しない入り口」を作ろうとすると、たぶん期待外れになります。
効くのは時間のほうです。

「営業しない」の正体は、先に置いておくこと

3つを並べて気づいたのは、どれも同じ形をしていることです。

  • 出品:サービスを先に置いておく
  • リピート:仕事の結果を先に置いておく
  • プロフィール:自分の説明を先に置いておく

営業しないというより、売り込む代わりに、見つかる状態を先に作っておくという話でした。
どれも即効性はありません。
置いてから効くまでに時間が空きます。

だから、いま案件が無くて困っている段階の人が、応募をやめてこちらに切り替えるのは無理があります。
私も応募を続けながら置いてきました。
順番としては応募で食いつなぎながら、置くものを増やしていくしかないと思っています。

最後にもう一度書いておくと、私の実績は出品から1件、リピート2社、DM6件です。
これで応募を置き換えられる規模ではありません。
ただ、871件応募して17件だったことを思えば、置いたものの効率のほうが明らかに良いのは確かです。

この比率を少しずつ入れ替えていくのが、いまの課題です。
単価の話とも繋がるので、そちらはクラウドソーシングの単価が安いと感じたときに見た数字に書きました。

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この記事を書いた人

宮城県東松島市でひとりでWeb制作をやっています。Web業界10年、会社員時代に50を超えるプロジェクトを担当したのち独立。実際に使った道具と、迷って決めたことを書いています。

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