中古ドメインを使うべきでない理由

失効した図面をモチーフにした製図イラスト

この記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

ドメインを探していると「中古ドメインなら最初から評価が付いている」という話が出てきます。
数万円払えば、新規で取るより早く順位が付くのではないか。
そう考えるのは自然です。

結論から書きます。
これから個人でアフィリエイトブログを始めるなら、中古ドメインは選ばないほうがいいと考えています。
効果が不確かだからというより、後から原因の切り分けができなくなるからです。

自分もこのブログを始めるとき、候補に入れるかどうかを一度検討して、外しました。
その理由を書きます。

ふだんはフリーランスでWeb制作をしていて、クライアントのサイトでもドメインの選定をする立場です(運営者情報)。

目次

中古ドメインとは何か

中古ドメインとは、誰かが使っていて、更新されずに手放されたドメインのことです。
オークションや専門の販売サイトで売買されていて、数千円から数十万円まで値段が付いています。

中古ドメインに期待されているのは主に2つです。
ひとつは、過去に集まった被リンク(他サイトから張られたリンク)をそのまま引き継げること。
もうひとつは、取得からの年数が長いこと自体が有利に働くのではないか、という考えです。

どちらも「新規で取るとゼロから積み上げになる」ことへの対策として語られます。

Googleのスパムポリシーに関連する項目がある

まず押さえておきたいのが、Googleがこの手法を公式に問題として扱っている点です。
「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」に、期限切れドメインの不正使用という項目があります。

期限切れのドメインの不正使用とは、期限切れのドメイン名を主に検索ランキングを操作する目的で購入し、ユーザーにとってほとんどまたはまったく価値がないコンテンツをホストするために再利用することです。

Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」

ここは正確に読む必要があります。
中古ドメインを使うこと自体が禁止されているわけではありません。
対象になっているのは「主に順位を操作する目的で」「価値の低いコンテンツを載せる」場合です。
前の持ち主とまったく同じ事業を引き継ぐようなケースは、当然ながらこれに当たりません。

ただ、同じページで挙げられている例を見ると、話が変わってきます。
原文には「例としては次のものがありますが、これらに限定されません。」と前置きがあったうえで、「以前に政府機関が使用していたサイトで、アフィリエイト コンテンツを掲載する」、「以前に非営利の医療団体が使用していたサイトで、医療関連の商品を営利目的で販売する」、「以前に小学校が使用していたサイトで、カジノ関連のコンテンツを掲載する」の3つを挙げています。

挙げられている3つは、いずれも政府機関・医療団体・小学校という公共性の高い組織が使っていたドメインです。
個人がごく普通の中古ドメインを買う場合と、そのまま同じとは言えません。

ただ、3つに共通しているのは「前の中身と関係のない内容に入れ替える」という形です。
ポリシーに触れるかどうかは中身次第だとしても、その形にわざわざ近づける必要はない、というのが自分の判断でした。

期待している効果のほうは、根拠が薄い(デメリットと釣り合わない)

一方で、中古ドメインで得られるとされている効果はどうでしょうか。

年数そのものが有利に働くという点については、Googleが公開している資料の中に裏づけを見つけられませんでした。
この話はドメインの決め方にも書きましたが、古いドメインに価値があるとすれば、それは年数ではなくその間に集まった被リンクとインデックスのほうです。

では被リンクはどうか。
こちらは確かに実在します。
ただし引き継げるのは「前のサイトの内容に対して張られたリンク」です。
学校のサイトに張られたリンクを、アフィリエイトサイトが引き継いで意味があるのか。
中身が入れ替わった時点で、そのリンクが指していた実体はもう存在しません。

数万円を払って手に入るのが「意味を失ったリンク」だとすると、費用対効果はかなり怪しくなります。

最大のリスクは、原因の切り分けができなくなること

ここが自分にとって決定的でした。

ブログを始めて半年、記事を50本書いても順位が付かない。
この状況は誰にでも起こります。
そのとき問われるのは「何が悪いのか」です。

新規で取ったドメインなら、答えは自分の中にしかありません。
記事の質か、キーワードの選び方か、テーマの絞り込みか。
どれも自分で変えられるものです。
原因が自分にあるということは、直せるということです。

ところが中古ドメインだと、ここに「過去の履歴が悪いのかもしれない」という選択肢が増えます。

正確に書いておくと、手動対策(Googleの担当者が人力で下す措置)については、買ったあとに自分でSearch Consoleの所有権を確認すれば、有効なものが残っていないかを見られます。
Googleは手動による対策レポートのヘルプで、最近購入したサイトが以前から違反していた場合は、修正のうえ「サイトを最近取得したこと」を再審査リクエストで知らせるよう案内しています。
まったく打つ手がないわけではありません。

問題は2つあります。
ひとつは、それが確認できるのは買ったあとだという点。
もうひとつは、確認できるのは手動対策だけで、アルゴリズム側がその履歴をどう扱っているかは表に出ないという点です。

確かめられない要因が混ざると、改善のサイクルが回らなくなります。
記事を直しても伸びないとき、それが「まだ足りない」のか「ドメインのせい」なのか判断できない。
結果として、いつまでも仮説を捨てられません。

数万円を節約するために、その後の何年かを不確実な状態で走ることになる。
この交換は割に合わないと判断しました。

過去の使われ方は、完全には調べられない

「中古ドメインでも、買う前にちゃんと調べればいい」と思うかもしれません。
実際、ある程度は調べられます。

  • Wayback Machine(過去のWebページを保存しているサービス)で、以前どんなサイトだったかを見る
  • 被リンクの調査ツールで、どこからリンクが張られているかを確認する
  • ドメイン名で検索して、インデックスが残っているかを見る

ただ、これらで分かるのは「外から見えた範囲」だけです。
Wayback Machineはすべての時点を保存しているわけではありませんし、被リンクの調査ツールもツールごとに把握している範囲が違います。

そして先ほど書いたとおり、手動対策は買ったあとでなければ確認できませんし、アルゴリズム側の扱いは最後まで見えません。
買う前に調べた結果が白でも、それは「悪い履歴が見つからなかった」であって「悪い履歴がない」ではない
この差は、後で問題が起きたときに効いてきます。

買っても理にかなう場面はある

公平のために書いておくと、中古ドメインを買うことが理にかなう場面もあります。

事業やサイトごと引き継ぐ場合です。
運営していたメディアを買い取って、同じ読者に向けて同じ内容を続けるなら、ドメインを変えるほうが損失になります。
この場合は「転用」ではなく「継承」なので、先ほどのポリシーとも性質が違います。

逆に言えば、合理的なのは中身が連続している場合だけです。
前の持ち主と無関係なジャンルで始めるなら、その条件を満たしません。

なお、ドメインを分けるかどうかで迷っているならサブドメインとサブディレクトリはどちらが良いかもあわせて読んでみてください。
こちらも「確かめようがないものに賭けない」という同じ判断で決めています。

新規ドメインの不利は、思ったほど大きくない

そもそも中古ドメインを検討する動機は、「新規だと最初がつらい」という前提から来ています。

ただ、立ち上げ直後に順位が付かないのは、ドメインが新しいからというより記事が少なくてテーマが伝わっていないからです。
これは中古ドメインを買っても同じで、中身が変われば結局そこから積み直しになります。

中古ドメインで時間を買っているつもりが、実際には確かめられないリスクを買っているだけかもしれない。
そう考えると、新規で取って中身に集中するほうが素直です。

新規で取るなら、履歴を気にせず好きな名前を選べます。
私はお名前.comで取りましたが、どこで取っても構いません。
中古を探して回るより、空いている名前を30分で決めて記事に時間を回したほうが早いというのが、実際にやってみた感想です。

新規ドメインの一番の価値は、うまくいかないときの原因が必ず自分にあることだと思っています。
それは不利ではなく、改善できるということです。

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この記事を書いた人

宮城県東松島市でひとりでWeb制作をやっています。Web業界10年、会社員時代に50を超えるプロジェクトを担当したのち独立。実際に使った道具と、迷って決めたことを書いています。

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